なんでもさせていただきます・・・ではない!
なんにでも「~させていただきます」を使ってしまうと、基本的に、「~させていただきます」の誤用となるので注意してください。
例えば、会社での勤務や商品開発に対して、「~させていただきます」を使ってしまうと、混乱が起きることもあります。
会社での勤務については、「勤務させていただいております」という形になるのですが、社員にとっての勤務は義務でしかありませんので、大げさな表現を用いなくても良いのです。
つまり会社での勤務については、「〇〇会社で働いております」のみで問題無く、あえて「~させていただきます」を使わなくても問題ありません。
商品開発の場合も同じで、「開発させていただきました」では、まるで立場の弱い人物が、命令に従って開発しないといけないものを開発した・・・、のようなニュアンスになってしまいます。
そもそも「~させていただきます」は、「~させてもらう」の謙譲語に相当するので、使用するケースは限定的なのです。
看護師が病人を看護する場合、「看護させてもらう〇〇と言います」よりも、「看護させていただきます〇〇です」のほうが、仕事に対する誠実さ、そして、丁寧な表現にこだわっていることが良くわかります。
具体的な使い方
良く「~させていただきます」を用いるシーンですが、改まって挨拶をするシーン、責任をもって取り組むシーンで、「~させていただきます」を使うだけで問題ありません。
有名なものでは、「僭越ながら私がご挨拶させていただきます」があります。
こちらは結婚式など、限定的な舞台において責任を預かっている人が、責任を意識して対処することを了承している・・・、こちらを明確化するために「~させていただきます」を用いているのです。
「~させていただきます」は、自分の意思を明確化する、もしくはかしこまった場面で用いるのが正しく、日常的に「~させていただきます」を使ってしまうと、話し相手に「表現がおかしい」と思われることが多くなるでしょう。
他にも社会人として、「ご案内させていただきます」、「イベントに参加させていただきます」のような「~させていただきます」も、「~させていただきます」の使い方としては間違っていません。
もし「~させていただきます」を上手く活用するのが難しい場合は、「~させていただく」を連想しながら使うと良いでしょう。
「〇〇を引き受けたので~させていただく」という形で連想し、そもそも「〇〇を引き受けているわけではない」のであれば、「~させていただきます」を使わないでも良いのです。
どんな場面でも「~させていただきます」を使ってしまうと、不必要な作業も引き受けたい・・・、このような人物として見られることが多くなります。